空飛ぶクルマは、車ではない

空飛ぶクルマは、車ではない
出典:経済産業省

日本では「空飛ぶクルマ」と呼ばれていますが、世界的にはeVTOLやらPAVなどと呼ばれていてます。

昨年トヨタが参入を表明した事で、近年、より一層注目されるようになってきました。自動車メーカーの参入ということで、「車」としてのイメージが先行しているように感じます。

トヨタ、「空飛ぶクルマ」に本格参入 米新興に430億円出資 量産化に向け協業 - 日本経済新聞
トヨタ自動車は16日、垂直離着陸する「空飛ぶタクシー」を開発する米スタートアップ、ジョビー・アビエーションに3億9400万ドル(約430億円)出資すると発表した。空飛ぶタクシーは都市の渋滞緩和などにつながるため、新たな移動手段として注目されている。トヨタは生産技術や電動化のノウハウをジョビーに供与し、機体の量産化で協業...

航空業界の人間からすれば、自動車と航空機は設計思想からして別物なのですが、「クルマ」の延長線上に考えているあたりが、やはり自動車産業の成功体験から抜け出せない日本らしい発想とも言えます。

世界的には「クルマ」というよりも「ヘリコプター」などの航空機として考えられており、規制当局も「自動車局」ではなく、「航空局」がメインとなってルール作りが進められています。

日本でも経済産業省を中心として、行政としても動き出しつつあります。空飛ぶ「クルマ」と呼びだしたのも、経済産業省なのでしょうか?

「空飛ぶクルマ」とは
そもそも「空飛ぶクルマ」とは何を指すのか。明確な定義はないが、ロードマップでは「『電動・垂直離着陸型・無操縦者航空機』などによる身近で手軽な空の移動手段」としている。電動化により内燃機関が不要になり、部品数が少なくなることから整備費が削減されるとともに、自動化が進むことで運航費も削減される。また、垂直に離着陸できるため、滑走路がなくとも、点から点への移動が可能となる。

経済産業省 METI Journal

国民に広く知ってもらうためのキャッチーさは大事ですが、社会受容性に逆効果とならないか心配です。「自動車が空を飛ぶ」というイメージが先行してしまうと、「大丈夫なのか?安全なのか?」と不安を煽りかねないからです。

航空機の安全基準で設計され、「航空機」として審査されるわけですので、はじめから「航空機」としてネーミングした方が、無駄に不安を煽ることもなかったのではないでしょうか?

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